2017年5月26日金曜日

常連の養蜂家おじいさん


2年半続けていたバイトをやめて、
早3ヶ月が過ぎた。
特殊なバイトだったけど、
大学生活の大半を共に過ごしてきたと考えると、
改めて感慨深いものがある。

仲良くしてくださったスタッフのみなさん、
そして今まで通ってくださった常連さんたち。
そんな人々との出会いの中での経験が、
今の僕の一部になっていると思う。


他のスタッフのお客さんで、
常連のHさんという、養蜂家のおじいさんがいた。
いつもニコニコしているおじいさんやけど、
自分の農園の宣伝をしたり、
ワークショップのチラシを配布してくれと、
大量に紙を持ってきたり…。。。
布教活動とも言えそうな、
営業妨害スレスレの、
迷惑なお客さん…と初めは思っていた。

しかし最近、
題材にしている生物という括りで、
蜂のことについて調べていくうちに、
僕はおじいさんに謝らなければならないと思い始めた。
布教活動とは失礼極まりない言葉であった。
蜂は現在海外では深刻な状態にあり、
どんどん姿をくらましていた。

蜂が消えると、
作物は人の手で1つ1つ受粉しなければならなくなる。
スーパーで新鮮な野菜が今は陳列されているが、
そんな当たり前やと思っていた光景が、
一気に反転するかもしれない。


おじいさんは、
その細々とした手足をフルに稼働させ、
人生の終盤を蜂のために捧げていた。
素直に、かっこいいと思う。

21歳の僕は、
そんな姿勢で物事に取り組めているだろうか。
何に対しても疑いを持ち、
真摯に向き合うことをしてこなかった自分が恥ずかしい。

バイトして失ったものもいっぱいあるけど、
バイトしてよかったことは、
自分の愚かさに気づけたことと、
今まで見てこなかった世界に関われたこと。
改めて、2年半バイト続けてよかったなと思う。

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